(2018.02.21公開の記事をこちらへ移動しました)
ぜひ企画サイトにてお読みください。
https://gomisuteba-game.tumblr.com
僕はマグという青年を捨てました。
拾ってくださったのは緑陰夢生さま。
そして、柿原柚希さまがお捨てになった
俊という青年を拾いました。
まだ企画の全作品を読めていないので、とりあえず自分が関わった作品に感想を。
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拾われた青年
おれは人間 → 地獄の中の幸福は
はじめからゾクッとするセリフ。
「生体反応が人間と完全に一致しなかったので」
“完全に”と言い切ってしまう、相手の言動を省みない無機質なことば。
それに対するマグの「確かにおれは普通の人間とは出自が違うんだ」という冷静な受け答え。
この短いやりとりが、的を射すぎていて心臓を掴まれるようでした。
捨てられたことによる諦観や、人間ならざるものの雰囲気の溢れた緑陰夢生さまの文章に惚れ惚れといたしました。
締めも「ああ、こう来るか!」と思わず声に出てしまうほど。
お見事です。
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拾った青年
館の魔女と → 不知
拾った瞬間、首をひねりました。
「こんな完成されている世界の中、自分はどう書くべきか」と。
美しさに耽る館の住人たちと毒。まるで絵画を物語にしたよう。
その中でただひとつ、俊が絵画から飛び出して等身大の青年になるシーンがあります。
愛おしい女性が捨てた名を叫ぶシーンです。
22歳となっても俊はただ素直な気持ちで、彼女を愛していたのだろうか。
それとも年相応の肉欲のままに求めていたのか。
本意は俊のみぞ知ります。
ただ、どちらにせよ彼は耽美の世界ではなく、生身の人間として彼女を愛してしまったのは確か。
僕が想像した彼の行きつく先は、≪不知≫に記しました。
まっすぐに歪みなく愛したのだろう、そう感じて。
それは高価な刃物のように寸分の歪みない。
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